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皆既日食観測遠征旅行のためのパッキング

皆既日食観測旅行でのパッキングの際に注意しなければならないことは,空港での機内預け手荷物の重量制限,セキュリティチェック,機内持込み手荷物について,観測地へ持参するものなどです.今回,私なりにリストを作成するなど,いろいろと工夫してみました.

まず,皆既日食観測旅行で持参する手荷物を以下の基準で分類します.一つの基準は,観測に必要な物とそうでない物.もう一つの基準は,機内持込みとなる物と預ける荷物(トランク内)です.以上の基準から,持ち物リストを作成すればよいでしょう.

まず,機内持込みとなる手荷物.貴重品類は身につけるとして,旅程表などの他,バッテリー類が該当します.リチウムイオン電池やリチウムイオン電池を内蔵した電子機器を航空会社へ預ける手荷物の中に入れることはできません.これは以前に発火事故があったことによる対応だと思われます.私たちの場合は,モバイル端末,パソコン,デジタルカメラ.デジタルビデオカメラ,予備のバッテリーなどが該当します.大きさは,幅,高さ,奥行きの和が115cm以内で,座席の下に収納できる大きさのかばんなどに入れる必要があります.私は普段使っているA4ノートパソコン用のかばんを使いました.今回は,このかばんはそのまま観測地マドラスへも持参することにしました.

機内持込み以外の手荷物はトランクに入れて,機内預け手荷物として空港で預けることになりますが,その中でも,観測地マドラスへ持参する物とそうでない物をあらかじめ分けておくことにしました.

機内持ち込み手荷物以外で観測地へ持参する物は,普段,自然観察会で使っているリュックに入れることにしました.このリュックと機内持ち込み手荷物で観測に必要な物がすべてそろいます.ただし,三脚だけは,リュックに入れるとトランクが閉まらなくなってしまったので,ホテルに着いてから忘れずに三脚を観測地へ持参するリュックに入れ直すことにしました.三脚の足の先などは鋭利な部分もあるので,靴下などでくるんでからリュックに入れると安心です.これで,観測地マドラスへは三脚をリュックに入れ,そのリュックと機内持込み手荷物をそのまま持参すればよいことになります.写真は,実際に観測地マドラスへ持参した荷物を日食当日の朝,マドラスで撮影したものです.

 観測地マドラスで当日に撮影した観測地へ持参した荷物.出発前の段階で機内持込みの有無,観測地への持参の有無で分類しておいた.当日の朝の朝食も含まれている.
観測地マドラスへ持参した荷物(パッキングした状態)

右から,機内持込み手荷物のかばん,機内持込み以外の手荷物のリュック,当日にポートランドのホテルで受け取った朝食,シャドーバンド観測用のスクリーンの台に使うダンボールを分解したもの(変形防止のため,観測地に着いたらリュックから出しておいた)

特に,注意しなければならないのは重量制限です.利用予定の航空会社のHPなどで事前に調べておくことが重要です.ツアーでの参加の場合は,最終旅行日程表などが配布される段階で注意が喚起されるでしょうが,観測機器の準備や撮影操作の練習,現地での機器セッティングなどをスムーズに行うためにも,もっと早くから知っておく必要があります.私が今回参加したツアーで利用するユナイテッド航空のエコノミークラスの場合は,23kg以内でした.この基準はまれに変更されることもあるので,時々,再チェックすることが必要です.

重量制限の影響を受けやすい人は,赤道儀などを用いた本格的な観測・撮影をされる方でしょう.その場合,バランスウェイトを水を入れたペットボトルなどで代用するなどの工夫も必要です.もちろん,液体類は機内へ持ち込めませんから,水は観測当日に入れることになります.複数のカメラでバランスを取るようにセッティングされている方もいらっしゃいました.

機内へ持ち込める液体類に関しても注意が必要です.1リットル以内の透明でファスナー付の袋に入れる必要があるほか,個々の液体類(ゼリー状のものを含む)は100ml以下でなければなりません.私は歯磨きがこの基準に適合しないとされ,没収されてしまいました.120g の内容量のもので,少し使ったので 100ml以下になっていて大丈夫だろうと思ったけど,ダメでした.

以上のように,3種類に分けた持ち物に関して,それぞれリストを作っておくと安心です.出発時はもちろん,日食観測が終わって観測地から帰るときにもリストと照合することにより,忘れ物防止に役立ちます.