2009年7月22日(上海)
私が初めて皆既帯の中に入った皆既日食です.観測地として,上海の Okura Garden Hotel Shanghai の前の庭を選びました.
残念ながら,当日は曇で,皆既の時間帯はずっと雨.
コロナや黒い太陽は見られませんでしたが,あたりが暗くなる神秘的な体験はできました.
おかげさまで,完全な日食病にかかってしまいました!
あこがれの皆既日食
2009年7月22日の皆既日食は,昔の少年天文同好会時代から注目していた憧れの日食でした.
実は,この日食観察を目標として,いろいろと準備をしていました.
観察準備へ向けて
今回は初めての皆既日食ということで,欲を張らずに基本的に「見て楽しむ」ことをテーマとすることにしました(直前になって欲が出て,撮影も行うことに変更したのですが).
2007年頃より昔に集めた断片的な情報などを整理するとともに,2008年7月頃より天文雑誌の閲覧をしていました.
旅行計画
最初は国内での観測も考えていたのですが,費用と日程の関係から,旅行先を上海に決定しました.
旅行申し込みは,2009年1月末で,ツアーではなく,3泊4日の個人旅行としました(1ヵ月後に日程の都合がついたので5泊6日に延長).
サイト作成
旅行準備を進めていて,さまざまなサイトを閲覧していたのですが,私のような日食観測初心者向けのサイトが意外と少ないことに気づきます.
そこで,日食観察計画の準備を整理してサイトを作成することにしました(こうしてできたのがこのサイトです).
日食旅行に出発
7月20日に関西空港出発.当日は,ゆっくり旅行先でグルメなどをしながらくつろぐことにしました.
観測地下見(前日の同時刻,前々日の夜)
前々日の夜と,前日に日食が起こる時刻と同じ時刻に,観察地の予定であったホテルオークラ花園飯店の庭を散策しながら,観察スケジュールや撮影スケジュールの最終的な確認をしました.
皆既日食初体験(皆既帯で過ごした時間)
上海で迎えた皆既日食当日.朝から厚い雲に覆われていました.とりあえず,観察場所のホテルオークラ花園飯店の庭の噴水の前で,他の観測者と一緒に皆既の始まりの時間を待つことにしました.
皆既数分前から雨が降り出し,予想外の雨に他の観察者も面食らったようです.次第に風が強くなり,気温が低下したのか,冷たい雨が頬にかかるようになります.
そして迎えた皆既の始まり.すぅーとスポットライトが減衰していくような感じで夜が迫ってきました.ちょっとした異様さと神秘的な光景に,「本来なら黒い太陽とコロナが見えているはずなのに」という思いなどが交錯した不思議な感覚.なんとか,記録に残したいという思いも加わり,次第に強まる雨の中,夢中にシャッターを押します.
誰かが,「空が明るくなってきた」と叫んだその瞬間,サァーとまわりが明るくなり,あっけなく,黒い太陽を見ないまま,皆既が終わったのでした.
終わってしまうと,夢を見ていたような感覚の5分間でした.
テレビ中継を見る
皆既が終わった後,周りの状況を撮影してから,ホテルの部屋に戻り,テレビ中継を見ることとしました.
上海だけではなく,他の地方も悪天候のところが多かったようです.
上海観光旅行
上海では,日食前日の午後に森ビルを,日食の日の午後からは庭園を,翌日は蘇州を観光しました.
皆既日食旅行は,観光や自然体験とセットで計画しておくと,今回のように悪天候で十分に見られなかったとしてもいい思い出になると思います.
衝撃的であったのは,今回の皆既日食について,観光先で驚くべき証言が!
「2009年7月22日(上海)」のまとめ
今回は残念ながら雨の皆既日食で,コロナや黒い太陽を見ることができませんでしたが,いつかは見たいと思います.
次回に皆既日食を見に行く旅行ができるのがいつになるかわかりませんが,日程調整の努力をして,コロナやダイヤモンドリングを堪能できるという夢を実現したいものです.