「2009年7月22日(上海)」 の各項目の詳細ページ
- 2009年7月22日 上海で初めての皆既日食体験
- あこがれの皆既日食
- 観察準備へ向けて
- 旅行計画
- サイト作成
- 日食旅行に出発
- 観測地下見(前日の同時刻,前々日の夜)
- 皆既日食初体験(皆既帯で過ごした時間)
- テレビ中継を見る
- 上海観光旅行
- 初めての皆既日食を体験して
あこがれの皆既日食
私が皆既日食を知ったのは,小学校4年生の頃でした.友人が立ち上げた少年天文同好会の定期勉強会の時に,友人が持っていた本に皆既日食に関する記載があったのを覚えています.その本には,日食の連続写真が載っていて,欠けた太陽が昇りながら,やがて皆既を迎え,美しいコロナを放つ様子が描いてありました.
子供ながら,その写真に強くひきつけられていきました.友人の家へ行くたびにその写真を見せてもらっていたのを覚えています.
祖母に日食のことを話すと,昔,黒い太陽を見たことがあるとのことでした(注:このサイトを作成する時に調べてみると,祖母が言っていた「黒い太陽」は,皆既日食ではなく,金環日食だったようです.また,実際には,もう少しのところで完全に太陽と月が重なることなく,部分日食で終わったようです.)
ところが,祖母が言うには「皆既日食は北海道以外では見られない」とのことでした.なぜ,北海道以外は見られないのか,と訊いてみたところ,「北海道の人はお利口さんで,おまえみたいにヤンチャばかりしていないからだ」などと言われてしまいました.確かに,私はヤンチャ坊主だったとは思いますが,日食という天文現象と日頃の行いとの関係なんて嘘に決まっている,と子供ながらに思っていましたので,本当に北海道だけに見られるものかどうか,調べてみることにしたのです.
祖母の主張に納得がいかなかった私は,再び天文同好会の友人の家を訪ねました.友人に祖母の話をしたところ,友人はすでに皆既日食についてかなり勉強していたらしく,皆既日食は非常に稀な現象であること.地球上の1点では400年に一度程度しか見られないことを教えてくれました.そして,20世紀最後の国内の皆既日食は,1963年の北海道の皆既日食だったとのことです.どうやら,祖母は1963年の北海道の日食のことをニュースなどで聞いて知っていたのだということがわかりました.(注:1963年以前にも,北海道の網走付近では約100年ほどの間に,皆既日食と金環日食を合わせて5回も見られた地域があることが後でわかりました.) 友人と二人で皆既日食について調べた結果,20世紀中は国内では皆既日食も金環日食も見ることができないとのことでした. 次に国内で皆既日食が見られるのは,2009年7月22日だとのことでした.
このような経緯から,私も友人も2009年7月22日の皆既日食はとても楽しみとなる,「あこがれの皆既日食」となったのです.