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太陽系惑星の謎を解く(皆既日食を体験した感動の記述あり)
皆既日食を実際に体験した人のお話では,皆既日食の感動的なシーンを言葉で表現することはきわめて難しいそうです.
そこで,私は皆既日食のビデオやプラネタリウムなどの大画面投影などの機会を見つけてはできるだけ映像で見るようにしています.そんな中,偶然にも私が本書『太陽系惑星の謎を解く』に出会いました.
日食の起こるメカニズム
最初のページは淡々と,他の本となんら変わらない日食のメカニズムの記述から始まります.著者はこの部分は,感情や先入観を入れずに純粋に科学的に理解してほしいとのことだと思います.
日常からかけ離れた皆既中
記述の内容が皆既日食のことになる2ページ目の途中から,徐々に文体が変化します.何かが起こる,という予感を感じさせ,皆既中の世界の描写に進みます.
私は,この文章をできるだけ静かな部屋で,じっくりと,ゆっくりと読んでみました.すると... 皆既日食の幻想的な光景が目の前に広がっているようでした.薄暗い中での人々の動きも感じるよう.そして,ダイヤモンドリングの瞬間の感動とともに疑似体験が終わり,元の世界へ戻って行きます.
ゆっくり読んで1分強,あえて比較的短い皆既日食の時間と同じ時間で皆既の直前直後の現象を含めた皆既日食に関する記述を読み終えるように書いているのかもしれません.
日食ツアーと日食病
皆既日食を一度見ると,虜になってしまい,次々と日食ツアーに参加して皆既日食を追い求めることを日食病と呼ぶそうです.私も今度の皆既日食を見たら日食病にかかってしまうのでしょう.
著者は6ページの皆既日食の記述の1/3 以上を日食病の説明に費やしています.日食病で困るのはとにかく,お金がかかること! ですから,日食病にかかる前から覚悟して,2回目,3回目の日食遠征のことも考えておいたほうがいいのかもしれません.
サロス周期
最後に,日食や月食の周期性として知られている「サロス周期」のことをさらりと述べて,皆既日食の記述を終わっています.
日食病にかかると,感動的に皆既日食のサロス回帰は是非,注目したいものです.