「チリ・アルゼンチン高原地帯」 の各項目の詳細ページ
- アンデス地方(チリ・アルゼンチン高原地帯)で観測する
- エル・モジェ☆チリ東部高原地帯へ(ラ・フロリダ空港(LSC)から)
- ビクーニャ☆チリ皆既日食観測で最も注目の町
- ベジャ・ビスタ,ラスフローレス,ピスマンタ,ロデオとその近郊(サンファン空港(UAQ)他から)
- アルゼンチンのサンルイス州北部付近の高原地帯
ビクーニャ☆チリ皆既日食観測で最も注目の町
ビクーニャは周囲を丘陵が点在する見渡す限りの乾燥した大地.ちょうど,2017年のアメリカ皆既日食の時のマドラスを小さくしたような印象を抱いてしまいます.
ビクーニャのホテルの屋上からの皆既日食観測を行うという,2019年7月2日の南米皆既日食ツアーが阪急交通社から発表されました.同時に多彩なテーマでの観測・観察が可能となることから,これはこれは見逃せません.もちろん,一気に人気沸騰でした!!ただ,参加希望者が多かったものの,休暇の確保が難しくて申し込めなかった方も多かったのが残念でした.
皆既日食の前後で,山々の色合いの変化に注目です.360度,一つとして同じ色合いはなく,それが時々刻々と変化していく.やや西に傾いた太陽に照らされながら.動画撮影を自動化して,一瞬たりとも無駄にせず,自分の目にもじっくりと焼き付けるべく,観察に専念した人も多かったようです.
まずは太陽の方向の変化を撮影してくださった,yuichi ichikawa さんの動画を紹介します.
Total Solar Eclipse 2019 in Vicuña,Chile
山影のシルエット,本影錐と地平線付近の色合いの変化が美しいです.ダイヤモンドリングの時や皆既中も,適宜,拡大画像があるのも観察者と同じ感動を共有できて,臨場感があります.
人々の生活圏やホテルなどがある地点には緑の木立も見られ,目が癒されます.そして,その何気ない光景の一つ一つが,日食当日には絶妙な色彩の変化を伴いながら大自然のドラマを共演してくれたはず.第2接触へのカウントダウンというクライマックスでどんな姿を見せてくれたのでしょうか.想像力がふくらみます.
そのドラマを見事に再現してくださった riomizuki9 さんの動画は感動的です.
チリ皆既日食広角編
何より,サボテンのシルエットと背景の空の色彩の変化には,躍動感とも言える生命力を感じさせてくれます.
私もリサーチをしていて,贅沢な時を過ごしたいという期待がどんどん,エスカレートしました.山々の色合いの変化と町の光景の絶妙な色彩の変化を同時に観察できないものでしょうか.その夢がかなえるべく,ビクーニャのホテルの屋上を観測地として確保したツアーに注目が集まったと考えられます.
ホテルの屋上を観測地とした場合,さまざまな観測テーマを同時に満喫できる以外にも多くのメリットが存在したと思われます.まず,7月2日は現地では厳冬期だということです.いつでも数分以内に暖かい室内に戻れるというのは実にありがたかったことせしょう.インターネット完備のホテルなら,撮影した動画や写真をすぐに公開することも可能です.そして,せっかく南半球に来たのだから,やはり,安心して南天の星空観察ができるメリットも大きかったと思います.
ラ・セレナからのアクセスが良いということは,観光,個人旅行の射程範囲でもあります.個人旅行の方はツアーでは得られないような景観をバックにした動画や写真撮影にチャレンジできることが魅力です.
個人旅行では,プクラロ貯水池の景観をバックに観測するのもカメラの構図としてはベストチョイスの一つでした.2020年の皆既日食との比較としてもおもしろいでしょう.
問題は,当日の許容人数.駐車場の問題もあり,当日は通行制限や入場制限がされたかもしれません.ビクーニャやエル・モジェなどに宿泊を確保しておいて,早朝に到着するようにしておきたかったものです.このようなケースでは,もし駐車できそうになかった場合のために,速やかにビクーニャまたはエル・モジェへ戻れるようにスケジュールを組んでおく柔軟性をもつことがおすすめです.当日は,譲り合って観測できたでしょうか.
ビクーニャの近くにも宿泊施設が充実している町が41号線沿いに点在していました.ビクーニャから東へ順に,ミラフローレス,ペラリージョ,ディアギータス,グランハピアエハなどです.ただ,東へいくほど平地部分が狭くなりますので,皆既の時間帯に太陽が山に隠れることがない場所を選ぶとなると制限が多くなっていきます.
ツアー,個人旅行ともに注目されたビクーニャ.あなたはどんな皆既日食観察に期待しましたか?