「チリ・アルゼンチン高原地帯」 の各項目の詳細ページ
- アンデス地方(チリ・アルゼンチン高原地帯)で観測する
- エル・モジェ☆チリ東部高原地帯へ(ラ・フロリダ空港(LSC)から)
- ビクーニャ☆チリ皆既日食観測で最も注目の町
- ベジャ・ビスタ,ラスフローレス,ピスマンタ,ロデオとその近郊(サンファン空港(UAQ)他から)
- アルゼンチンのサンルイス州北部付近の高原地帯
エル・モジェ☆チリ東部高原地帯へ(ラ・フロリダ空港(LSC)から)
海岸から山岳地帯にはいると,通常は上昇気流による雲の発生が心配ですが,ルート41沿いを30kmほど東へ進んだ高原地帯まで行くとその心配は少なくなります.西側の山を越えてきた西風が下降気流となるからでしょうか.ルート41が「星の道」と言われるように,雲の発生はラ・セレナより少なく,30km東のビクーニャとともに,エル・モジェもツアーの人気箇所となりました.
個人旅行でエル・モジェ,ビクーニャへ行くには,ラ・セレナのバスターミナルから出ているコレクティーボというバスを利用すると便利です.宿泊はラ・セレナにしつつ,当日の朝に観測地まで出かけようと考えたくなりますが,当日は早朝からの混雑が予想され,可能な限り,現地で宿泊施設を確保し,前日までに観測地入りしておくほうが安心だというアドバイスをしました.
エルモジェなどのチリ東部の山岳地帯で皆既日食を観察する場合は,背景の山々の色合いの変化も同時に観察したいものです.たとえば,日食の進行を,西側の太陽と東の山並みの色調の変化を同時にビデオ撮影するのはどうでしょうか.特に皆既前後の数分間と皆既中の色彩の変化をリアルタイムに記録するととても面白い作品になりそうです.そのため,観測地の選定では,太陽の方向だけではなく,太陽と反対側の風景にも目を配りたいところです.
注目すべきは,黒須瑞枝さんの作品です.
工夫次第では広角写真をタイムラプス動画にして面白い作品に仕上げることもできることを証明してくださいました.皆既前後と皆既中では,世界の全く別の場所かと思われるほど,風景が激変する様が見事です.
ここからは個人で観察する場合に該当するでしょうが,はるかかなたのアンデスから流れるエルキ川を視野に入れた写真はどうでしょうか.撮影地をうまく選べば,部分食中は少しずつ夕暮れに近づきながら変わりゆく風景,皆既食前後はまわり風景をバックに水面に写った欠けた太陽といった裏技も可能かもしれません.もちろん,このようなケースでは,突然の増水などの危険に遭遇しないように数日前からの上流の天気などチェックは必要です.
山岳地帯で通常の有名な観光ルートに入っていない町は,皆既日食がなければ訪れなかったはずです.アンデスの大自然をバックに,皆既中の町並みの風景も楽しみたいものです.