木漏れ日
皆既日食の前後の部分日食や金環日食のときにおもしろいのが木漏れ日(こもれび)です.
木漏れ日とは,もともと木陰で見られる木の葉の間から漏れてくる太陽の光が,地面に丸く照らすものです.
金環日食のときの木漏れ日はリング状を,部分日食のときの木漏れ日は,欠けた太陽の形をしています.通常は丸い形をしている木漏れ日だけに,時々刻々と形が変化していく木漏れ日もおもしろい現象です.皆既日食で皆既の時間が近づくと(金環日食や大きく欠ける部分日食でも同様),風も出てきますので,木漏れ日が欠けた太陽を映し出しながら風に揺られている情景は本当に美しいです.特に,2012年5月21日の金環日食のときは,リング状の木漏れ日が美しく感動的でした!
木漏れ日はピンホールカメラの原理
木漏れ日ができるメカニズムはピンホールカメラの原理と同じです.
ごく小さな1点を通過した光が平面に当たると,元の画像が投影されるのです.
木漏れ日はちょうど,木の葉の隙間がピンホールの役割をするために,太陽の形がそのまま地面に投影されているのです.
木漏れ日の観察
日食の進行にしたがって,木漏れ日の形の変化を追ってみましょう.
皆既日食を観察する場合は,部分食が始まって,皆既が近付くまでの約1時間は非常に長く感じるものです.木漏れ日はその退屈さを埋めてくれると思います.
特に,皆既が近づいて,細い太陽の形が木漏れ日となって映っている情景は圧巻です.
木漏れ日の写真撮影
金環日食や部分日食の時の木漏れ日は写真撮影の構図としても面白いです.手持ちのカメラで是非,欠けた太陽の形の木漏れ日を撮影してみましょう.これも立派な日食写真です.
金環日食や皆既日食前後の部分日食の時も,通常の木漏れ日の写真撮影と基本的に同じですが,金環や皆既が近付くと,周りの照度が低くなってきますから,露出を多めにしないといけないかもしれません.
身近な日用品で木漏れ日を楽しめる!
日食のときの木漏れ日で欠けた太陽を見るには,周りに木があればよいのですが,ない場合でも工夫次第で木漏れ日を見ることができます.
麦わら帽子の目から漏れた光でも木漏れ日ができますし,使用済みのバスカードも使えます.その他にもピンホールスコープを工作で自作することも可能です.
「木漏れ日」のまとめ
木漏れ日は部分日食でも見られますし,皆既日食のときにも前後の部分食中に木漏れ日が見られます.
日食当日までに,おもしろそうな木漏れ日の観察スポットを見つけておくのもよいでしょう.