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コロナと黒い太陽

皆既日食といえばコロナが有名ですね.月にすっぽりと太陽が隠された黒い太陽の周りを淡く覆いながら美しく光るのがコロナです.

コロナは皆既日食のときに見える

徐々に太陽の光が細くなり,月の端から漏れる最後の光が消えた瞬間,ジワッと黒い太陽の周りをコロナが淡く照らします.皆既日食の始まりの瞬間です.この感動的な瞬間,ぜひお見逃しなく!

太陽の大気

コロナは太陽の大気に相当します.通常は,太陽本体の明るい光に邪魔されて見ることができません.しかし,皆既日食のときは,太陽本体がすっぽりと月に隠されてしまい,コロナが周りよりひときわ明るいため,肉眼でもコロナが見えるようになるのです.

コロナの温度は非常に高い

コロナの温度は100万度以上にもなります.一方,太陽の表面温度は約6000度と推定されています.太陽表面よりも上空のほうが温度が高いという逆転現象が起こっているわけです.

なぜ,このような逆転現象が起こっているのかは実はよくわかっていませんでした.最近は磁力線の研究でその原因も徐々に解明されつつあります.

このようなことを少し知っているだけでも,皆既中のコロナを見た時の感動がより大きくなりますね.

コロナの形は皆既日食のたびに異なる

コロナの形は皆既日食毎にすべて違います.それは,コロナの形の違いは太陽の活動状況とも関係があります.

太陽の活動が極小期の時のコロナは,黄道に沿って細く長く見えることがあります. 逆に,太陽の活動が極大期の時のコロナは,逆に丸く拡がって見えることが多いようです.

太陽の活動は11年を周期として極大期から極小期へ,そしてまた極大期へと繰り返していますので,皆既日食のときにどの段階にあるかによっても異なりますし,その時々の太陽の活動状況によっても異なります.

次の皆既日食にはどのようなコロナが見られるでしょうか?

「コロナと黒い太陽」のまとめ

皆既日食の数分間しか見ることのできないコロナと黒い太陽.この貴重な時間を思う存分楽しみましょう.特に,皆既継続時間の長い日食では,色彩や明るさの変化にも注目です.