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- 皆既帯が太平洋岸に上陸した直後のチリ沿岸部の皆既日食
- ラ・セレナ近郊
- ラ・イゲラとその近郊
ラ・イゲラとその近郊
2019年の南米皆既日食でのラ・イゲラの魅力はもちろん,高い晴天率ですが,それだけではありません.なんといっても,観光都市ラ・セレナに近く,気流も安定していることから,ツアー,個人旅行とも今回の皆既日食では注目されました.
ラ・イゲラへ行くにはラ・セレナから5号線を北上.しばらくは海岸線を走りますが,やがて海岸線を離れ,つづら折れにさしかかります.つづら折れを抜けると乾燥した盆地状の高原地帯.その盆地状の高原地帯を進んで周りが開けた箇所にあるインターで5号線を降りて右(東)へ進むとラ・イゲラの町に到着します.
市街地に入ると私有地が多くなりますので,個人旅行では公共の場所で自由に立ち入りが許可されている場所等で観測することになったことでしょう.ラ・イゲラへ行く道中にも皆既日食観測可能な場所はそこら中にある感じですが,一つ心配なのが当日の交通規制の可能性です.そのため,観測地の選定と下見は2日前までに終了しておき,当日は未明に移動しておくのが得策などの工夫がポイントとなりました.
さて,ラ・イゲラとその近郊ではどんな皆既日食が観察できたのでしょうか.とにかく,皆既日食を見ることを最優先したい方はツアーへの参加がおすすめしていました.今回はあるツアーからの映像を公開してくださったので,が紹介させていただきます.
2019年7月2日 チリで観測した皆既日食
皆既日食ツアーの雰囲気を疑似体験してみましょう!
一方,水平線に傾く欠けた太陽の織り成す絶景と水平線状のコロナを見たい方は海岸の観測地の確保しなければなりません.皆既中心線の近くでは,Playa tenblador やチュグンゴなどの海岸が景観的にも人気が集まりそうでした.もし,中心線から少し離れてもよければアタカマ州との境界に近い,コキンボ州北部の海岸のほうが平地が広く,不測の雲の発生の確率が低くなりそうですし,5号線からのアクセスが良い点などからも観測候補地になりました.ここでも砂浜から岩場までさまざまな海岸線があり,観察テーマに応じて選定が可能でした.
注意すべきことは,幹線道路から離れると未舗装の道路が多く,道路の起伏も大きいことから,離合も大変ですので,アクセスにかなりの時間がかかることが予想されました.これに当日は交通規制や混雑による渋滞等も加わりますので,所要時間は相当かかるとの覚悟も必要でした.できれば,2~3日前までに観測地の下見を済ませておき,当日は未明から早朝にはベストな場所を確保するのが理想と考えたのですが,どうだったのでしょうか.
もう一点はやはり,天候の変化も心配でした.特に近くに山岳が迫っている海岸付近での雲の発生を予測することは難しいのでツアーでは敬遠されがちでした.一方,個人旅行の場合は,天候さえ良好であればツアーでは得られない絶景を堪能できるだけに,気圧配置や2~3日前からの動向をつかんでおいて,最終的な観測地の選定などに万全を期すようにするということも不可能ではありません.
南米大陸で最初に皆既日食が見られるラ・イゲラとその近郊.そこであなたを待っていたのは,どんな皆既日食の光景でしたでしょうか?