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2026年8月12日 スペイン・アイスランド皆既日食

この日食は,白夜のシベリアの北極海沿岸で始まり,北極海,グリーンランド東部,アイスランド西部をかすめた後,ビスケー湾からスペインに上陸します.その後はスペイン北部の海岸から山岳地帯や高原を抜けていき,エブロ川流域の低地を通って,バレアス海へと至ります.その後,地中海のバレアス諸島を過ぎたあたりで日没を迎えます.皆既帯が通る自然環境はこのように多彩ではありますが,渡航禁止・制限の地域や渡航可能であっても交通手段の問題から,現実的な観測地はアイスランドとスペインになりそうです.

アイスランドの自然景観で見る日食

火山と氷河が形造った地形が特徴的なアイスランドでは,同地形を背景に日食中の光景がどのようになるか,興味があります.欠けゆく太陽だけではなく,まわりの特徴的な地形の色彩変化にもぜひ,目を向けて欲しいものです.

ただ,問題点としては後述するスペインに比較して,あまり晴天率が高くない点と,フィヨルド地形のために交通のアクセスがかなり制限される可能性がある点です.前日までに余裕を持って現地入りし,当日の移動は極力,控えることが望ましいでしょう.

もし,当日に運良く晴天に恵まれれば,地平線間近のコロナをまとった黒い太陽以外に,周囲の光景の色彩変化を動画に納めることができればおもしろい作品ができることと思います.

スペイン北部海岸で日食の全経過を観測

スペイン北部の海岸では,アコルーニャからビルバオまでの各都市が軒並み,皆既帯の中に含まれます.この地域では日食の全過程を観測できることからも,やはり水平線に迫る日食中の太陽と,それによる周囲の光景の変化が注目です.晴天に恵まれれば無比の絶景が期待できるものの,この地域の晴天率はスペインの他の地域と比較するとあまりよくないのが泣き所です.さあ,どうするか?

スペインのイベリコ山系の高地で見る皆既日食

山岳地帯の日食時の色合いの変化はすばらしいですが,上昇気流の影響で天候の変化が起こりやすいのが難点です.うまく,皆既の時間とタイミングが合って晴天に恵まれることを期待するか,より確実に観測できる地域を選択するか,悩むところです.

観測地選定の一例として道祖神のツアーでは,レオン州のサンテルバス・デ・ラ・ベガの郊外が選定されています.高原地でありながら視界が開けた地で,ゆったりと観測できるし,近年の猛暑から逃れつつ晴天率もある程度,確保できるという点で,現実的な最適解として注目したいところです.

一方,現地に在住したり,早くから個人旅行を計画している人でないと難しいかもしれませんが,スペインの他の地域とは少し異なった街並みや光景を背景にした観察・観測記録にも注目したいところです.

スペインのエブロ川流域の低地で見る黒い太陽

サラゴザに代表されるように,今回の皆既日食で最も高い晴天率が期待できるこの地域は多くのツアーの人気を集めているようにです.ただ,大都市での観測なると,太陽の方向が開けていることが条件なので前日までの下見が重要です.その点,ツアーは安心できると思います.

この地域の注目はやはり,独特の街並みです.個人ではなかなか難しいかもしれませんがもし,歴史的建造物と日食中の太陽を同時にとらえられる最適地を確保できれば貴重な日食観察ができると思います.日食後にそのような写真や動画が公開されることにも期待したいところです.

日食のテーマとは離れても,この地域は交通機関でマドリードやバルセロナへのアクセスが容易なため,日食後の観光の起点としても注目されることでしょう.

地中海バレアス諸島で水平線に迫る皆既日食

マヨルカ島などの島の西海岸では,皆既日食のまま水平線に迫る黒い太陽が注目です.晴天率も高いことから,どのような光景が見られるか,期待したいところです.